「玲央、後継はお前の子だからな。」


陸様たちの寝室を確認しに行くために部屋を出ようとした足を止められた。


「………。兄貴の子は。」


「理央の子は資産家として名乗ってもらわねばな。もちろんお前たちもそうだが。」


「………お祖父様、しきたりは守るべきでしょうか。」


後継を出すということは………。


「………優莉奥様と相談しなさい。儂だったら守れとしか言いようがない。

そのしきたりをきっちり守ってきたおかげで長い歴史を織り込めているんだからな。」


「………そうですか。」


桜井家前当主の言葉に間違いはないのかな。


ふっと諦め気味に笑って部屋を退出した。


陸様たちの寝室の確認、急がないと。








「では莉絵様、お願いいたしますね?」


「はい。お任せくださいませ。明日は幸い学校もございませんし大丈夫ですわ。いつも通りの時間に起こしてくだされば。」


「かしこまりました。」


莉絵様のお部屋にユリの子供たち4人が一緒に寝るらしい。


無駄にベッド広くてよかった………。