――――――そして、下人は悪人になった。

あれほど憎んでいた悪に染まってしまうほど、生きていくことに必死だった。

だが、盗みをすればするほど、下人が悪に染まれば染まるほど、下人の心が満たされなくなっていた。

どんなに高価な物を盗んでも、災いが起きている中、何不自由なく生活が出来てもである。