「柿沼くんってね?
昔わたしがカウンセラーをしてた頃に来てた人なの。」
卓巳がカウンセラー……?
海里はそのこと知ってるのかな。
「なんでカウンセラーに?」
「………昔いろいろあったの。あ、……遠藤さんにも聞かないであげて………?」
海里も関係してるんだ………。
「その時の柿沼くんはね、まだ幼い少年だったけど………。
久しぶりに会った彼に………ときめいてしまったの。
だけど気持ちなんて伝えられないから………悩んじゃって。」
先生でも悩んだりするんだ。
もしかして遼もこんなに悩んでるの?
あたしのせいで………。
「だからこそ遠山さんは頑張らなきゃだめよ………。
南樹先生の勇気を無駄にしてはだめ。」
「佐野せんせぇ………うぅ。」
泣いてしまったあたしを佐野先生は優しく抱き締めてくれた。
心のどこかであたしは
大人は祝福してくれないと
思ってた…………。
けど味方してくれる人がいて安心した。
佐野先生はあたしに勇気と安心をくれた。
「あ、あたし、恐くって……教師を好きになっちゃったことは悪いことだし、遼に迷惑かけちゃって………」
「………大丈夫。南樹先生は遠山さんのこと本当に大切に思ってるから。
じゃないと居残りなんてしないわよ?」
「……………え?」
「南樹先生はね?
どんなに成績が悪い生徒がいたとしても居残りなんてしなかったし、
数学準備室に生徒なんていれないわよ。
いつも入り口までが普通ね。」
そうだったんだ………。
「だから………愛されてるのよ?」

