いつのまにか雅弥さんはタバコを吸うのをやめていた。
きっと海里が帰ってきたからやめたんだ。
「遼、ごめん…………。」
あたしは小声で遼に言った。
遼は複雑な顔をしながらあたしの頭をポンっとしてくれた。
「俺、教師だからだいたいわかったりすんだ。
お前が俺じゃなく遠藤を頼ったのには理由があることわかってるから………。
そんな顔すんな。」
遼はそう言い頭を撫でてくれた。
「……………ありがとぉ。
けどいいんだぁ。
あたし家に帰ることにしたから。」
あたしは今そう決めた。
好きな人の辛い顔を見るなんて嫌だからあたしは自分なりに判断してそう決めた。
けどそしたら遼には当分会えないかもしれない。
父親に殴られた痕が残ったりするから。
「………大丈夫なのか?
同棲の許可は?」
遼は心配そうに聞いてくる
「同棲は良いって言われたよぉ!!
それに………大丈夫だよ?
ただ家に帰るだけだもん。」
………遼は薄々気付いてるんだよね。
じゃなきゃ大丈夫かなんて聞かないもん。
けど本当のことを簡単に言うほどあたしは強くないから。
「………今日から同棲するか?」
「………………え。
本当に大丈夫だよ?
あたしはただ荷物整理してくるだけだしさ!」
しかし遼は納得がいかない表情であたしを見つめる。
あたしはそれを無理した。
「海里、やっぱりあたし帰るわぁ。
雅弥さんと仲良くしろぉ。
じゃねぇ!」
そう言い残し、あたしは急いで雅弥さんの家を出た。
そして家まで走った。

