あたしは他に誰もいない寂しい教室で舞魅のことを考えていた。
舞魅はいつも笑ってた………。
けどいつもその裏には辛さを隠していたんだ。
もっと早く気付いてあげれたらきっと舞魅はここまで傷つくことはなかったんじゃないかな………。
一輝さんはどう考えているんだろう。
舞魅のこと気付いてる?
「遠山さん………?」
急に誰かに呼ばれあたしは振り向いた。
見ると教室のドアのところには心配そうな顔をした佐野先生がいる。
「どうかしたの?」
佐野先生はあたしのほうに向かいながら聞く。
「悩み事でぇーす。
佐野先生って、卓巳に告白したんでしょぉ?」
そう聞くと佐野先生は顔を真っ赤にした。
そして少したってから話し出した。
「遠山さん見てると勇気が出たのよ………。
卓巳くんね?
OKしてくれたの………。」
卓巳、OKしたんだ。
けど………海里はもう良いの?
「卓巳くん、まだ忘れられない人がいるって言ってくれたの。
けどわたしを大切にするって抱き締めてくれて………。
好きな人に抱き締めてもらって嫌な人はいないから………。」
そのときの佐野先生の顔はとても幸せそうであたしは安心した。
「美妃(ミキ)?」
廊下から卓巳の声がする。
美妃って誰?
「美妃ってわたし。
今日、卓巳くんとデートなのよ。」
笑顔で言う。
「美妃、ここにいたんだ。」
卓巳が教室に入ってきた。
「廊下で美妃って呼ぶのやめない?」
佐野先生は恥ずかしそうに言う。
「んー?良いでしょ。
あれ、美里ちゃん。」
卓巳くんはあたしに気付いたのか名前をよぶ。
「卓巳くん、デートいってらぁ!」
「おう!!じゃぁ美妃、行くぞ。」
そう言い、卓巳くんは佐野先生を引っ張って教室から出てった。

