「おい、起きろよ……美里。」
遼の声がする…………。
…………ってあたしなんであたし寝てるの!?
あたしは腰を起こした。
「ご、ごめんっっ!!寝ちゃったぁ………。」
「ん、いいよ。」
そう言い、遼は笑ってくれた。
そういえばこの部屋ってさっきまでいたバーじゃない………。
あたしは周りをキョロキョロ見渡す。
「ここ、俺の家。
お前酔いつぶれたんだよ。」
あ、あたし酔い潰れたんだぁ……
初めて入ったなぁ……。
ちょっと嬉しいかも。
「遼の部屋、綺麗だねぇ!」
「そうか?普通だろ。
つか連れてきたのまずかったか?」
遼はバツの悪そうな顔で聞く。
「ううん?
逆に嬉しいよぉ。遼の部屋なんて……
来れると思わなかったから。」
やっぱり遼は教師だから家に行くことやただの買い物にも少し抵抗があった。
けど遼は簡単に入れてくれたんだね。
きっと簡単に見せかけてここに連れてくることを凄く悩んだんだと思う。
「遼、連れて来てくれてありがと。」
「別にいい……。
明日はちょうど休みか……。」
明日はちょうど土曜日だった。
てゆうかもう土曜日になってた。
「泊まってく?」
急に聞かれた。
泊まってもいいのかな?
遼の迷惑に………
「迷惑じゃないからな?
俺が一緒に居たいんだよ。」
そう言い、遼は抱き締めてくれた。
あたしの気持ち、気付いてたんだ……。
また悩ませちゃったね。
「あたしも………離れたくない。」
学校で一緒でも………
温もりを感じることはどうしてもできなくて。
数学準備室にいるとわかっていても気軽に行くことはあたしには難しかった。
数学準備室の前まで行っても入ることにはどうしても越えられない壁があった。

