愛してるって言って

その言葉に「うん」と頷くことができない。


なのに絢華ママはさらに言葉を続ける。



「涼夏、どうだった? 今日のサプライズ。毎日テスト勉強を頑張っていたから、そのご褒美に蒼太を呼んでみたのよ」



おかしいとは思っていた。


平日のど真ん中の水曜日に蒼ちゃんがここにいること。


しかも一緒に夕食を食べるなんて。


一ヶ月前までのあたしならここでめちゃくちゃ喜んでいたに違いない。


圭ちゃんを椅子から引きずり下ろして、あたしがその蒼ちゃんの隣の席に座っていたに違いない。


でも――



「ごめんなさい。用事を思い出しちゃった。もう帰らなきゃ」



もう限界だった。


リビングに入ったときに蒼ちゃんと絡んだ視線。


けれど、そのあと蒼ちゃんは一度もこっちを見ようとしなかった。


きっと、彼女ができた今、あたしの想いは邪魔でしかないんだ。