愛してるって言って

しばらく手を止めていると、



「やっぱり元気がないね。何かあったの?」



今度は絢華ママが心配そうに訊いてきた。


けれど、ここで『蒼ちゃんに失恋したの』なんて言えるわけもないから、



「ほんとに、何もないよ」



と言うしかなくて。



「そう」



どこか納得のいかない表情でそう言った絢華ママだけれど、すぐに気持ちを切り替えたのか、今度は明るい声で口を開いた。



「テストはどうだった? 圭介でも役に立てた?」



その言葉に、あたしの前に座っている圭ちゃんが「圭介でも、ってなんだよ」と口を尖らせながらぶつぶつ言っているのを見て、思わずぷっと吹き出してしまった。


そしたら今度はあたしに矛先が向いて「笑うなよ」と呟く。


そんな圭ちゃんのお陰で気持ちが少し楽になってきた。