愛してるって言って

いつもなら蒼ちゃんの姿をとらえたと同時に走り寄るのに、その場から全く動かないあたしに、舜パパと絢華ママは不思議そうな顔をしていて、



「涼夏、どうしたの? いつもと別人だよ?」



なんて言ってきたけれど、どうしたもこうしたもないよ。


蒼ちゃんに会えたのは嬉しいけれど、今はどちらかというと会いたくなかったのに。


そんなことを考えているあたしを振り返って顔を覗き込んできた圭ちゃんは



「大丈夫か?」



と訊いてきたけれど、こくんと頷くことしかできない。


だけどほんとは全然大丈夫じゃないよ。


会わずにいれば蒼ちゃんへの想いが少しずつでも薄れていくと思っていた。


それなのにあの頃と変わらず胸は高鳴るしどきどきもする。


会わなくても、あたしの中にいる蒼ちゃんの存在の大きさは全く変わらない。



――大丈夫なわけがない。