愛してるって言って

「怒ってないよ。ただ……」


「ただ?」


「……何もないなら、じっと見ないで。勉強に集中できない」



あたしがそう言うと圭ちゃんは頭をぽりぽりと掻きながら口を開いた。



「わりぃ……ちょっと、気になってさ」


「えっ」


「兄貴のこと。さっき母さんの口から出てきて……ほんとはどうなんだって……俺もずっと、気になっていたから」


「……」



じっと見られていた理由を知りたいと思っていたけれど、それが蒼ちゃんのことだったなんて。


勝手だけれど、それなら知りたくなかったと思ってしまった。


俯きながら黙ってしまったあたしに圭ちゃんは、



「話したくないなら話さなくてもいいよ。無理に聞こうなんて思っていないから。でも……」



そう言って口を閉ざしたから、思わず顔をあげるといまだにこっちをじっと見ている瞳があって、どきんっ、と心臓が跳ねた。


そしてそれを隠すように視線をそらしたあたしに、圭ちゃんはその先の言葉を口にした。