愛してるって言って

そしてあたしの両頬を摘まんで横に引っ張りながら、



「おまえはムカつくくらいに兄貴だけだよな」


「へっ」


「兄貴のことばっか考えていて、俺が言ったことなんてすっかり忘れてんだろ?」


「へいひゃんひゃ、ひっひゃひょひょ(圭ちゃんが、言ったこと)?」



頬を引っ張られているからちゃんと言葉にはならなくて。


だけど……


あっ!


そういえば昨日圭ちゃんに『好きだ』って言われたんだった。


それを思い出して頬がカッと熱くなる。


そしてそんなあたしを見て、



「ようやく思い出した? もう、忘れんじゃねーぞ」



そう言って頬から手を離した圭ちゃんは駅の方へと歩き始めた。