真っ直ぐ見つめてくる真剣な瞳に、どきんっ、と鼓動が跳ねた。


圭ちゃんのことは、最近男らしくなってカッコイイなと思うことはあったけれど……



蒼ちゃんの弟で、幼なじみ。



あたしにとってはそういう位置にいる男の子だった。


蒼ちゃんに想いが届かないとわかっても、圭ちゃんをそういう対象として見ることはできない。


突然そんなことを言われても、あたしの心は圭ちゃんの想いに追い付けるわけがないんだ。


心の中でそう結論が出ると、ゆっくりと視線をそらしながら「ごめん」と呟く。


そんなあたしに、圭ちゃんはふっと笑いながら口を開いた。



「やっぱりな。そう言われると思ってた」



そしてあたしの頭を軽く撫でて、



「さっ、帰ろうぜ」



そう言って、駅の方へと歩き始めた。