愛してるって言って

今にも飛び出してきそうな涙を、歯を食いしばって堪えるけれど、堪えきれなくてまた泣いてしまった。


圭ちゃんはそんなあたしの頭をそーっと撫でながら、



「まあでも、これをきっかけに諦めたらいいんじゃね?」



なんて言ってきた。



「えっ」


「いつまでも想っていてもしょうがねーじゃん。涼夏が辛いだけだろ?」


「……」



確かにそうかもしれない。


だけど物心がついた頃からずーっと好きだった蒼ちゃんのことを、そんなに簡単に忘れられるわけがないよ。



だって……


朝起きて“蒼ちゃんはもう起きたかなぁ”と思って、


登校しているときには“今頃会社に着いているのかなぁ”と思って、


昼御飯を食べているときには“蒼ちゃんは何を食べているんだろう?”と予想してみて、


学校から帰る頃には“今日も定時であがれたのかなぁ”と思って、


夜布団に入ってからは“蒼ちゃんはまだ起きているのかなぁ”なんて思って……。



あたしの心の中は、隙間がないほどに蒼ちゃんで一杯なんだもん。