愛してるって言って





さっきまでオレンジと紫のグラデーションを描いていた空は、いつの間にか真っ暗になっていて。


半分に欠けた月と一定距離に設置されている外灯の光だけが辺りを照らしている。



「ごめんね」



ふと我に返った瞬間すぐに圭ちゃんから離れたけれど、この状況を思い返してめちゃくちゃ恥ずかしくなり、顔を伏せたままそう言った。


今まで圭ちゃんのことを男として意識したことなんてなかったのに、大きくてガッチリとした胸板や包容力のある腕を直接感じて、ちょっぴりどきっとしてしまった。


それにあたし、こんな風に男の人に抱き締められたのは初めてだ。


蒼ちゃんにはよく抱きつくけれど、それはあたしからの一方的なもので、蒼ちゃんから返されたことは一度もないんだもん。


だから余計に圭ちゃんに男を感じてしまって、更に顔をあげることができなくなってしまった。