「とにかく紹介してよねっ!」


「えっ」


「だーかーらー、イケメンの幼馴染みを紹介してね。協力してくれるんでしょ?」



梢は瞳をキラキラと輝かせながらそう訊いてくる。


きっと圭ちゃんは紹介とか嫌がるだろうなぁ……と思いつつも、恋愛モードに入っている梢のウキウキしたようなワクワクしたようなこの雰囲気に、あたしの友達として紹介するだけだし大丈夫だよね? と思い、



「うん、わかったよ」



と答えた。そしたら梢は、



「きゃあー! ほんとに!? 涼夏大好きっ!!」



と言いながら、両手で握っていたあたしの手をさらにぎゅっと握り、ぶんぶんと振って満面の笑みを浮かべている。


その姿に、あたしまで笑みがこぼれた。



恋をすると、相手を思い出すだけで心がぽわっとあったかくなるし、ちょっとしたことが嬉しくて楽しくて気持ちが舞い上がる。


ただそれだけで、1日1日が輝いて見えてしまうんだ。