愛してるって言って

「じゃあな」



周りに視線を巡らせてからもう一度すずの唇に触れるだけのキスをしたあと、髪を撫でながらそう言って玄関のドアを開けた。



生ぬるいけれどさーっと頬を撫でる風を受けながら、緩む頬を隠すことなく空を見上げた。



ずっと胸の中に抱えてきたものを両親に話せたこと、そしてそれを受け入れてもらえたこと、本当に嬉しかった。


いつかすずと一緒になれる日が来たら、俺はいろんな意味で新しい一歩を踏み出すことになる。


その日が来ることを夢見ながら、車に乗り込んでエンジンをかけると、そのままアクセルを踏み込んでアパートまで車を走らせた。





fin.