愛してるって言って

そのドアに向かって「お邪魔しました」と声をかけると、すぐに紗羽さんが出てきて。



「蒼太、いつもありがとね」


「え」



突然お礼を言われて吃驚する。



「涼夏がいつも蒼太のところに行ってるんでしょ?」


「いや、俺が呼ぶときもあるから」


「そう?」



そう言って微笑んでいる紗羽さんを見ていると、恥ずかしさが込み上げてくる。


今俺、『俺が呼ぶときもある』とか言ったよな?


確かにそうだけど、彼女の親に向かって何てことを言ってるんだ、俺は。


すっげー恥ずかしい。


じわじわと熱くなってきた頬を隠すようにもう一度、



「お邪魔しました」



と言って背を向けた。



「気を付けて帰るのよ」


「はい、ありがとうございます」