愛してるって言って

蒼ちゃんは、普段はあまり家には帰らないらしい。


だから、こっちの方へ来たついでに家に寄ったんだ。


うちからだったら、車で1~2分の距離なんだもん。


あまり帰ってこない蒼ちゃんが、週のど真ん中の夜に顔を出したりしたら、みんな不思議がるに決まっているよね。


きっと『どうしたんだ?』なんて訊かれて『すずを送ってきた』とか言ったんだ。


蒼ちゃんの両親にもあたしの気持ちはバレバレだし、きっとあたしが蒼ちゃんのアパートに押し掛けていったことに気付いているんだろうな。


そう思うと、かなり恥ずかしい。



「蒼ちゃん、何か言ってた?」



蒼ちゃんは、あたしの話題なんか出さないだろうなと思いながらも、つい訊いてしまった。


そしたら返ってきた言葉は「何も」という予想通りのものだった。