ゆっくりとそれを味わうように、やさしく触れてくる唇は柔らかくてあったかくて、気持ちがいい。


それに蒼ちゃんと触れ合っていると思うだけで幸せな気持ちになれる。


ふわふわとした意識の中で、そっと瞼を上げると、目の前には蒼ちゃんの整った顔。


物心がついた頃からずっと大好きだった蒼ちゃんが目の前にいることに、頬が緩んでしまう。


そんなあたしに気づいた蒼ちゃんは、ふっと瞳を細めると、唇を離してあたしをぎゅっと抱き締めてきた。


あたしも背中に腕を回してぎゅっと抱きつく。



こんな幸せな時間がずっとずっと続きますように。




fin.