「圭ちゃ、ありがと……ほんとにほんとにありがと……」



涙を隠すように俯きながらそう言うけれど、涙が邪魔をして絞り出すような声しか出ない。


そんなあたしに圭ちゃんはふっと笑って、あたしの髪をくしゃくしゃと撫で回す。



「相変わらず泣き虫」


「うぅ～」



泣き虫と言われて、『違う！』と反抗したいのに涙が全然止まってくれないから、説得力が無さすぎて何も言えなくなる。


けれど、あたしは圭ちゃんのことをめちゃくちゃ傷つけてしまったのに、圭ちゃんがいつも通りに接してくれるから、また心があたたかくなった。


こんなことを言ったら怒られるかもしれないけれど、あたし圭ちゃんと付き合えてよかった。


圭ちゃんの優しさに触れられてよかった。


凄く幸せだった。


圭ちゃん、たくさんの幸せな時間をありがとう。