愛してるって言って

頭上で小さく息を吐くのが聴こえたと思ったら、背中に回されていた腕の力も緩んだ。


そのまま離れていく圭ちゃんの顔をじっと見ていると、圭ちゃんもあたしの方を見て視線が絡む。



「いいよ」


「え」


「いいよ、兄貴のところに行っても」


「……」


「俺、意外とすっきりしてんだ」



そう言って微笑んでいる圭ちゃん。


さっきまで瞳に宿っていた悲しそうな色は消えていて。


真っ直ぐで綺麗な瞳があたしを見つめている。



「圭ちゃん」


「ん?」


「あたし……」



そこまで言ったはいいけれど、そのあとの言葉が何も出てこなくて。


そのまま俯く。



「涼夏は、兄貴に気持ちが残ってたのに俺と付き合った自分を責めてんの?」


「……」


「そんなこと気にすんなよ」