「涼夏は冷めてるね。興味ないの?」



目の前に座る梢が、あたしの顔を覗き込みながらつまらなそうにそう言ったけれど、



「どうかなぁ、あたし、好きな人いるし」


「えっ!?」



今度は目を見開いて固まった梢。



「ぷっ」



思わず笑いが漏れてしまった。



「なんで笑っているの?」


「だって、梢の表情がコロコロ変わるから」



あたしの言葉ひとつで、いろんな表情を見せる梢が凄く面白い。



「てか! 好きな人いるんだ? もしかして彼氏?」


「ううん、片想い」


「そうなんだ」



ふと黒板の方へ視線を向ける。



「あっ!」



ガタンッ……



「なに!? どうしたの!?」