愛してるって言って

蒼ちゃんの手がドアノブにかかったとき、咄嗟に声が出た。



「待って!」



自分の気持ちを言える決心がついた訳じゃないのに、このまま蒼ちゃんがいなくなることに耐えられなくて、思わず引き留めてしまう。


あたしの声に振り返った蒼ちゃんは、やさしく微笑んでいて。



「圭介と仲良くやっていけよ」



その言葉を聞いたとたんあたしの足が勝手に動き、気づいたら蒼ちゃんの胸に飛び込んでいて。



「ちょっ、すず!?」


「やだっ! 行っちゃやだっ!」


「……」


「あたし……」



必死に引き留めたけれど、あたしは何を言うつもりなの!?


蒼ちゃんへの想いを伝えるつもりはないのに、それでも蒼ちゃんには傍にいてほしくて。