愛してるって言って

しばらく車内には沈黙が流れていて。


カーステから聴こえてくる陽気な音楽のお陰で気まずい空気にはならずにすんでいる。


まだまだ降り続いている雨を窓から眺めていたけれど、ふと気づく。



「どこに、行くの?」


「ん、俺のアパート」



家とは違う方向に走っているのに気づいて訊いたあたしに返ってきた答えは予想外のもので。


それに即反応したのは圭ちゃん。



「は? 何でだよ。家に連れてけよ」



眉を寄せて明らかに不機嫌な表情をしている圭ちゃんだけれど、蒼ちゃんははーっと息を吐いた。



「家までは少し遠すぎる」


「は?」


「すずの顔色が悪い。早く風呂に入って温めた方がいい」