愛してるって言って

圭ちゃんに向いていた瞳がゆっくりとあたしの方へくる。


その瞬間、心臓がどきんっと大きく跳ねた。



「すずは? 大丈夫か?」


「……」



声を出すことができなくて、こくんと頷く。


蒼ちゃんがあたしの方を見てくれた。


蒼ちゃんが『すず』って名前で呼んでくれた。


ただそれだけのことなのに、瞳の奥が熱くなって涙が押し寄せてくる。


歯を食い縛ってこらえるけれど、じわりじわりと目頭に涙が滲んできた。



「すず、後部座席に服があるから、先に着替えてしまえ。俺らはあっち向いてるから。

圭介はここでもいいか?」


「ん。つーか、着替えまで持ってきてくれたんだ? さすが兄貴」


「いや、優華に持ってけって渡されたんだよ。

って、すず、早く着替えろって。風邪引くぞ」


「あ、うん」