愛してるって言って

あたしがいつまでも蒼ちゃんのことを忘れられないせいで、圭ちゃんにこんなにも不安な気持ちを抱かせてしまった。


圭ちゃんにはいつも笑っていてほしいのに。


だとしたら、あたしがしっかりしなければならないって思う。


圭ちゃんの背中にそっと手を添えて、ぎゅっと抱きつく。


それに応えるように、圭ちゃんもあたしを抱き締めている腕に力がこもった。



「涼夏」


「ん?」


「俺、涼夏のこと、すっげー好きだから」


「うん。あたしも、圭ちゃんが好き」


「……」



圭ちゃんはあたしの肩に顔を埋めて、ふぅー、と息を吐いたあと、



「よし、行くか」



静かにそう言って抱き締めている腕の力を緩めると、少し屈んでちゅっと触れるだけのキスをする。


そしてあたしの手を握り、そのまま足を進めて部屋のドアを開けた。