愛してるって言って

そんな圭ちゃんのことを想うと、胸が苦しくなる。


あたしがはっきりと「大丈夫だから」と言えればいいのに。


それが言えないから圭ちゃんにこんな表情をさせてしまうんだ。


それなら「やっぱり帰る」と言おうと思ったけれど、さっき圭ちゃんは絢華ママにあたしの分の夕食をお願いしていたからそれはできなくて。


ここは覚悟を決めて行くしかないんだよね。


ちらりと様子をうかがうように圭ちゃんを見上げると、圭ちゃんもこっちをじっと見つめていて。


けれど目が合った瞬間、圭ちゃんの瞳がふっと細められた。



「行こうか」



そして何でもないようにそう言って、また歩き始めた。