愛してるって言って

どきどきと走り続けている鼓動を鎮めようとゆっくり深呼吸している間に花火は終わっていて。


花火を一番楽しみにこのお祭りに来たのに全然楽しめなかったなぁ。



「うし、帰るか」



ちょっぴり落ち込み気味のあたしには気づかずに圭ちゃんはそう言って立ち上がった。


それを見て、あたしも腰を上げる。



「ほんとは……」


「え、何?」



またあたしの手をぎゅっと握りながら、圭ちゃんはぼそぼそと呟くように何か言ったけれど、よく聞こえなくて訊き返す。


そしたらあたしの方にちらりと視線を向けてきた。



「ほんとは……まだ、帰りたくねぇ」


「……」


「涼夏は何時まで平気?」