愛してるって言って

「涼夏?」



ずっと固まっているあたしの顔を覗き込んできた圭ちゃんは、もう一度「書かねーの?」と訊いてきた。


書きたい、と言ったのはあたしなのに、ここで何も書かないのはおかしいから、「書くよ」と言って、何か願い事がないかともう一度頭の中をフル回転して考えてみる。


そして、ぱっ、と閃いた。


だからそれを書いたけれど、



「ぶはっ! なんだよ、それ!」



その願い事を見て、圭ちゃんは豪快に吹き出した。



「いつもそんなこと書いてんの!?」



圭ちゃんにそう訊かれて、自分の書いた文字をじっと見つめる。



『テストでいい点数がとれますように』



七夕の短冊に書くようなことではない。
今冷静になってみればあり得ないものだと思う。


けれど、それしか思い付かなかったんだもん。