愛してるって言って

それでもその視線を振り切るように、



「こ、ごちそうさまでした!」



食べたか食べていないかわからないくらいにしか食事には手をつけていなかったけれど、そう言いながら手を合わせた。


そしてすぐに立ち上がって絢華ママに「ありがとう」と言ってから、素早くリビングを出た。


みんながみんな、あたしの様子がおかしいことには気づいていたと思う。


それでも今はあの空間にいることが耐えられなかったから逃げてしまった。


逃げることで蒼ちゃんへの想いが消えるわけじゃないのに。


寧ろちゃんと向かい合って話をした方がこの想いに決着をつけられるのかもしれない。


そんなことを思いながら玄関で靴を履いていると、



「涼夏、送っていくよ」



そう言いながら隣に立った圭ちゃん。


そのまま見上げると、圭ちゃんはやさしく微笑んでいて。


圭ちゃんが唯一今のあたしの想いを知っているからか、安心して目頭が熱くなってきた。