「ごめんね?智哉くん!あたしのことかばってくれて...」
...そんな目するなよ...
しかも智哉に...。
俺はこぶしに力を入れつつも
2人に駆け寄った。
「大丈夫か?」
「あっ駿くん!あたしは大丈夫だけど...智哉くんが...」
恋の華奢な手が智哉に触れる。
「大丈夫だよ、恋ちゃん怪我なくてよかった」
それに微笑む智哉。
...あぁ、俺が恋の存在に気づいて
先に守ってやればよかった。
そう後悔してももう遅いんだよな...
「智哉、保健室行くか?」
俺はぐっと気持ちを抑えてそういうと
「いや大丈夫、俺はそろそろ帰るわ」
と帰っていった。
恋を見れば困った顔で智哉の出て行った扉を見つめている。
そんなに智哉が心配か...?
いや、恋は智哉のことが好きなのか...?
「恋」
「えっ...しゅ..んっくん?!」
気がつけば俺は恋を抱きしめていた。

