炭酸キャンディ



放課後になると今日も委員会の仕事。

1週間当番が続くんだ。


けど恋と一緒なら苦どころか


むしろ毎日あってもいいくらい


「じゃ俺図書委員あるから行くわ」

「俺も!」


急いで、恋を待たせないように向かおうとした


俺の腕を掴んだのは智哉。


「ま、いいけど」


正直、よくない。

けどなんだかんだ宣戦布告したようなもんだし

こんなところで意地張って気まずくなるのもゴメンだ


「余裕じゃん」

「べつに」


俺の反応に驚いたのか

そういって一緒に図書室へと向かった。


『ガラガラ』


「あれ?恋ちゃん....は?」


しかし恋の姿はなくて、

がくりと肩を落としつつも

俺は平然を保ってイスに腰掛けコンピューターをつけた。


「来るまで待ってよ~っと」

智哉は図書室の本を物色しだした


そのときだった


『バタバタ』


本が倒れる音が後ろからして俺はびくっと


立ち上がりその場へ向かう


「智哉?!大丈夫か...って、恋?」


倒れかけた本棚をなんとか持ち上げてみると


本にまみれた智哉の下に恋がいて



智哉は恋を守るようにかくまっていた。



「恋ちゃん...大丈夫?」


腰を擦りながら恋に手を貸そうとする

智哉の腕をぐっと掴んだ恋は


大きな目を見開いて


その目で心配そうに智哉を見つめた。