ねぇ、、、
後ろから声がした。振り返ると小柄な老婆がいた。落ち着かないらしく、手を髪に絡ませてる。上質…とは言えない使い古された服を着ている。

誰ですか?

そう言うと、少し傷ついたような顔をして老婆は答えた。

私忘れたのかい…昔から遊んでやったろう?

……?

老婆は顔を綻ばせた。が、誰かかどうか分からないので、女性は眉を寄せた。それに、なんだか弱々しい老婆だ。

老婆が口を動かした。
じゃあ、帰ろうか…

女性は顔を引き吊らせた。
会ったことがある!?いや、そんなことはない。…帰ると言っても何処に?

女性のその後の行方は知らない。