みんなの冷蔵庫(仮)1

急にメニューが消えた事で、私の両手はわたわたと空気を掴む。

待ち合わせの相手が来たんだと思い、最高の笑顔で振り返ると……

明らかに思っていたのと違う人間がこちらを見下ろしていた。

五月とはいえこの蒸し暑い中、高級そうな黒のスーツを身に纏い、異常に男前なそいつは、ウェイターが去ると私の横に音もなく優雅に腰を下ろした。


「僕が美しいからって、そんなに見なくていい。君も思っていたよりブスではなくて良かった」