「はぁ…はぁ…お前な、私が運動音痴だって事知ってるだろ」

「うん?」

「私のペースに合わせようとか思わないのか、本当に」







ごめんごめんと頭を掻く佳音、








茶道室の周りにはたくさんの女子達が集まっていた




「なぜだ?」








茶道部って一番人気のない部活ではなかったのか?頭の中が?でいっぱいになる




「有馬くんやっぱかっこいい♡」

「本当綺麗だよね…見惚れちゃう」






周りの女子達は目をキラキラ輝かせ、“有馬”という男に虜なようだ







「本当邪魔だな」



今日は部活体験の日だぞ、入り口を塞ぐな、馬鹿女共、私はその有馬という男などに興味ないし、真面目に体験しようと思ってたのに








「これじゃあ、きりがない」





佳音は?どこ行ったあいつ…



周りを見渡すと、女子の群がりから背伸びをしてる佳音が見えた










「おい!佳音!」





「ん?」とこちらを向く佳音


「お前な、彼氏いるんじゃなかったのか?その男に興味があるのか?」



「いや、噂でさ茶道部にとんでもないイケメンがいるっていうから気になってさ、好きとかそんなじゃ」








「そんなくだらん理由で私まで巻き添えにするな、この馬鹿」





佳音を連れだそうと手を伸ばすと、グッと思いっきり引っ張られた




 


「ちょ、かの」



しー!と口に手を添えられ、慌てて口を閉じる








「ほら、桃!あの人だよ」