「ねぇ…!ねぇってば!」

キーキーうるさい。

「なに」

私は先野優奈
さきのゆなって読むの
あーさっきからずーっとキーキー言ってるのは波野黄規 なみのきき
幼なじみってゆうのかな、一般的には
だけど、どうみても仲いいようには見えない。
まわりからも、そうだと思うんだけど。

「あのね、さっきね…」

「長いのやだから。」

長いのホントにやなの。
めんどいし、途中から何がなにやら

「聞いてもないくせに!もーいいもん。絵彌に聞いてもらうもん!!」

どーせ、絵彌にも聞いてもらえないんだから。
絵彌っていうのも、幼なじみで。
端野絵彌 はたのえみ
私達3人は生まれた病院が同じ。
そのとき、お母さんたちが入院している部屋が相部屋で、3人部屋だったらしく。
その3人が、優奈の母(先野優子 さきのゆうこ)と絵彌の母(端野絵彌子 はたのえみこ)と黄規の母(波野黄子 はたのきこ)だったから仲良くなったんだって。子供たちは3人とも未熟児だったらしくて、お互い助け合ったりしているうちに家族ぐるみの付き合いになって。
元々バラバラの所に住んでたんだけど、引っ越してお隣さんどうしになって、お互いの家に行ったりしてて。
今に至るわけ。だから、まぁ生まれてからの付き合いだから。幼なじみというより、自分達からすると腐れ縁なだけなんだけど…
ケンカばっかりするし。でも皆はいいなぁーって言ってる。なんでだろ…

「はいはい。菜南たち迎えにいかないと。絵彌は用ができたから遅くなるって」

「はーい。」

菜南というのは、絵彌の妹で、野乃という双子がいる。2歳になる、元気な女の子。
菜南は絵彌に似ていて、野乃は優奈に似ていると言われることがある。
お兄ちゃんもいて、大河(たいが)高校1年生。明るい性格で誰にでもすかれるタイプ。優奈の相談相手!!優しいから、何でも親身になって考えてくれるしっかりものなの…。
今から幼学園に迎えにいくとこなんだけど。
優奈たちが通ってるのは私立花園学園で、中等部3年生。エスカレーター式?っていうのかなぁ?そういうとこ。
菜南たちが通ってるのは私立花園幼学園。同じ敷地内にある。今優奈たちは学校が終わってあるいているの。
すぐ近くに、高等部校舎と初等部校舎、幼等部校舎がある。
幼等部校舎にいる菜南たちを迎えに行くんだけど待ち合わせしちゃってて…
もうすぐなんだけどなぁ。

「ごめんごめん。遅れたわー」

ごめんごめんじゃないわよ

「いやー、あっちーなぁ。夏みてぇだな」

暑がり。
この二人は春野海人と春野勇人。
三つ子で、もう一人は春野修人で今は絵彌の用についてってるの。
勇人は優奈の彼氏で、海人が黄規、修人が絵彌の彼氏。
実はこの六人とも、幼なじみなの。
家族ぐるみの付き合いで、晩御飯とかも毎日一緒かな。
塾とかの迎えも、優奈の迎えを海人の家が来てくれたりするよ。