地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

 もう限界かも、という時にユイちゃんが立花君の腕を引っ張ってくれた。

「えー……ユイは一人でもできるだろ?いつもはやらないだけで」

「うるさい、てか、ユイって呼ぶな!」

 立花君はブスッと膨れて掴まれた腕を引き剥がす。

「いや、だって彰さんも万里子さんも速川だから、ややこしいじゃん」

「それでも、ダメ!気持ち悪い」

「ひっでぇな!なぁ、柊さん」

 火照った頬を冷やすようにサイダーを飲んでいた私に、訴えるような目を向ける立花君と、ふんっとそっぽを向くユイちゃん。

「そういえば、学校ではユイちゃんのこと名字で呼んでたっけ?」

「うん。じゃないと今みたいにうるさいから。でも、前はユイも俺のこと洸って呼んでくれてたのに」

「だから、ユイって……」

 今にも突っかかりそうなユイちゃんだったけれど、そこに……

「みんなー!お勉強は捗ってるぅ?」

 万里子さんのご機嫌な声と、甘くて美味しそうなマドレーヌの匂いが部屋を包んだ。