いつのまにか外は暗くなっていて、ドライヤーで髪を乾かし、パーマの薬剤の匂い消しだというトリートメントをつけてもらって、やっと眼鏡が帰ってきた。

 おそるおそる、鏡の中の自分に目を向けて……文字通り言葉をなくした。

「上の方はボリュームが出すぎないようにして、逆に毛先の方は内巻きにして重さを持たせたの。前髪も斜めに流れるような動きが出るようにした。癖毛だからパーマはつきやすいしとれにくいよ」

 私のほぼ放置状態で伸ばしっぱなしの荒れていた髪が、つやつやでふわふわしたウェーブのかかった綺麗な髪に生まれ変わっていた。

 思わず首を回して、色んな角度から見ていると、ユイちゃんのお父さんが奥から現れた。

「ふーん、まぁまぁだな。癖がつきやすいとはいえ、初めてのパーマだし、長さからいっても巻きが弱い」

「ふーん、わかった」

 師弟のような空気、二人ともその表情は真剣だ。

「ユイちゃん、ありがとう。ユイちゃんのお父さんもありがとうございました」

 振り返って頭を下げる。ユイちゃんは首を振って、忙しそうに片付けを始めた。

「照れてるな、あれは」

 顔を合わせてクスクス笑っていると、ユイちゃんは余計に居心地悪そうにしていた。