カフェオレとケーキを堪能し、喫茶店を出る。冷房の効いていた室内から出ると、やっぱり暑さが余計に増している気がして、無意味だけれど手でパタパタ扇いだ。
「もう、そろそろかな」
速川さんが腕時計を見ながら呟いた。何がそろそろなのか聞こうとして、しかし、さっさと先へ行ってしまう彼女の後ろを追いかけなければならなかった。
今更ながら、こうして学校終わりに誰かと寄り道することなんて久し振りだ。
中学の時は美術部に入っていて、同じ部の子と帰り道にある公園で日が暮れるまで喋っていたり、彩音とはどちらかの家に遊びに行ってそのまま泊まることもよくあった。
けれど、高校に入ってから部活には入らなかったし、彩音はパティシエになるという夢のため、パティスリーコースのある高校に入学して、会うのも月に何回かしかなくなった。
何気なしにこの寄り道を楽しんでいる自分がいて、抑えなきゃと思うものの口角が上がって、足取りも軽い。
夏の風は商店街を通り、私たちを追い越していく。
まっすぐに伸びた道の両側に肩を寄せ合う店、そこに集まる人、夕日のオレンジ色に染まるアーケードの屋根。
喧騒に包まれる中、ふと速川さんが足を止めて振り返った。そして……
「ねぇ、もし“おうじさま”の彼女になれる可能性があれば、柊さんはそれを望む?」
「もう、そろそろかな」
速川さんが腕時計を見ながら呟いた。何がそろそろなのか聞こうとして、しかし、さっさと先へ行ってしまう彼女の後ろを追いかけなければならなかった。
今更ながら、こうして学校終わりに誰かと寄り道することなんて久し振りだ。
中学の時は美術部に入っていて、同じ部の子と帰り道にある公園で日が暮れるまで喋っていたり、彩音とはどちらかの家に遊びに行ってそのまま泊まることもよくあった。
けれど、高校に入ってから部活には入らなかったし、彩音はパティシエになるという夢のため、パティスリーコースのある高校に入学して、会うのも月に何回かしかなくなった。
何気なしにこの寄り道を楽しんでいる自分がいて、抑えなきゃと思うものの口角が上がって、足取りも軽い。
夏の風は商店街を通り、私たちを追い越していく。
まっすぐに伸びた道の両側に肩を寄せ合う店、そこに集まる人、夕日のオレンジ色に染まるアーケードの屋根。
喧騒に包まれる中、ふと速川さんが足を止めて振り返った。そして……
「ねぇ、もし“おうじさま”の彼女になれる可能性があれば、柊さんはそれを望む?」



