付けにくい物なのか悪戦苦闘して、なんとか付け終えたひー君は、ふぅと息を吐いて笑いかけてくれた。

「俺こそ、伝えきれてなかったみたいだな。立花洸は柊璃子が誰よりも好きだってこと」

 付けてくれた物を手探りで触ると、それはプリムラの花のイヤリングだとすぐに分かった。

「えっ……それじゃ、リッキーが私だって、気づいて……?」

「えっ!あれ、あだ名じゃなかったの!?」

 二人して目を白黒させる。

 だって、呼び方を聞いてくるから、私だってことを気づいていないかと思って、と言い訳がましく話せば、

「付き合ったら、二人だけの呼び方がしたいと思って……」

 彼も責められた子供のように口を尖らせて言い訳するから、一気に肩の力が抜けて、頭を抱える。

「でも、これで分かった?俺だけのシンデレラ?」

 ひー君はそう言って、私から眼鏡を外すと顎を持ち上げて……気づけば、彼の唇と私の唇が重なっていた。