地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

「なんて美味しいの……っ!?」

 思いがけず声を張り上げてしまった私に、速川さんは食べる手を止めて、お店の人もどうしたのかと目を見張っていた。私は恥ずかしくなって顔を俯かせる。

「もしかして、コロッケ食べるの初めて?」

 聞かれて顔を向けると、疑うような表情の速川さん。

「うん……お母さんは油っこい物が嫌いだし、お父さんも体に良くないからって食べないし」

「マジで言ってるの?」

 相当、信じられないらしく、元々大きな目を大きく見開いて私を凝視している。

「食べ物には厳しいから……でも、こんな美味しいものがあるなんて。食べさせてくれて、ありがとう」

 本当に嬉しくて礼を言うと……

「あ、ヤバい。今のその顔、下手な男に見せたら駄目だからね」

 何故か真剣な顔でそう返されて、内心ショックを受ける。そんなに私の笑顔は人の気を害するのかと。

 やっぱり、私は“眼鏡ブス”なのだ。極力、人前で笑うのは控えた方が良さそうだ。

「うん、そうします。ごめんね」

「ん?謝ることじゃないけど……まぁ、いいか。冷めないうちに早く食べちゃおう」