地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

「好きだ」

 たった一言。その一言だけでこんなにも幸せな気持ちになれるなんて、知らなかった。

「私も」

 泣き笑いの、震える声。すると、ひー君もふっと笑って、今度はぎゅっと抱き締める。私も、彼の背中に手を回す。男の子のしっかりした体躯。私のドキドキ以外に聞こえる鼓動は、同じように速かった。

「俺も、嬉しすぎて泣きそう」

「うん」

「好き?」

「うん」

「ちゃんと言わなきゃ信じない」

 少し距離を空けて顔を覗き込むひー君は、駄々っ子みたいな表情をする。それが可愛くて、つい笑ったら、彼の手が離れてぷい、とそっぽを向いてしまった。

 制服の裾を軽く引っ張ったり、背中をつんつんしても振り向いてくれない。

 名前を呼ぶ。ちらりと目だけこちらに向けた。

「ひー君……好きだよ、大好き」

 私の気持ちが少しでも多く伝われば良いな。でも、伝えきれないかな。

「その言葉だけじゃ足りないくらい、好き」