地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

 ベンチの背もたれに体をあずけて、夜空を見上げるひー君が、寂しげな目で何かを探す。

 私も彼と同じように背をもたれさせて、空を見た。そして……

「あった……ベガ、アルタイル、デネブ!」

「え?」

 腕を上げて星座を指差すと、驚いたように振り向いたひー君。私は得意気な顔を向ける。

 彼が夜空を見上げる時は星を探しているんだと知ったあの夜から、私も探すようになっていたのだ。

 そうして、彼よりも早く見つけられた優越感に浸る私に、ひー君は「いっつも、不意打ちだな」と呟いて、また空を見上げる。今度は私が振り向く。

「不意打ちって?」

「……そうやって、俺の心を奪っていく」

 それはひー君の方だと言いたいのに、彼が真剣な顔をするから、言葉全てを忘れ去ってしまったように何も言えず、その瞳に捕らえられる。

「例えば笑う顔も、俺の名前を呼ぶ声も、照れる所も、一生懸命な所も、見つめてくれる目だって、全部、ぜんぶ、俺を夢中にさせる」

 私も同じだよ。

 一つ一つの言動に、ときめいて、惑わされて、期待して、戸惑って。