地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

「ごめん、寄り道しちゃって」

 外に出て、謝ったひー君は自然と、離れていた手を繋ぎなおしてくれる。それだけで、ドキッとした。そんな“彼女”の扱いに心が追いついていない。

「リッキー?」

「あ、ううん!私もたまにお店に行ったことあったんだけど、多田さんのこと気難しそうだなって思ってて。あんな気さくな面白い人だったんだね」

「まじで!それじゃ俺たちすれ違ってたかもなぁ。でも、確かに俺も最初はおっかないおじさんだと思ってた。ほら、レジの所で本読んでたとこから顔を上げる時とかさ、目付きが極道そのものじゃない?」

 その時の物真似をするひー君。私もそれを見たことがあるから、つい笑ってしまう。

「あのしゃがれた低い声も、誰か脅してそうな感じだし」

「もう、駄目だよ!そんなこと言っちゃ」

「て、言いながら爆笑するリッキーも酷いと思うけど?」

 私と彼の笑い声が重なる。

 夕日に染まる景色。

 近づいてくる夜。

 まだ、もう少しだけ彼と居させてと、誰に願えば叶えてくれるのだろう。