地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

「リッキー……」

 多田さんに腕を伸ばしたまま固まるひー君に見つめられて頬が熱い。

「ありがと、そう言ってくれて嬉しいよ」

 体を元の体勢に戻すと、首の後ろを掻きながらはにかむ彼。お礼を言われるなんて思ってもなくて、赤い顔を隠すように本棚に目を向けた。

「くぁーっ、見せつけて!しっかし、おめぇには勿体無い彼女だな。俺があと何十年か若ければ嫁にもらいたかったねぇ」

「やめてよ、冗談でも。いくら多田さんであろうと怒るぞ」

「おお、怖い怖い!いたいけなおやじになんて仕打ちだ」

「どこが、いたいけだ。あ、それより、それ置いといてよ?また今度来たときに買うから」

「はいはい、彼女とのデートが優先かい。さっさと行っちまいな」

「ありがと、じゃあね」

 手を振るひー君に、多田さんも他所を見ながらシッシッと追い払うように振り返す。私もお辞儀をして店を後にした。