地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

「うん!とにかく主人公が格好よくてさ、生き様も、難病を治してしまう力も、全部が俺の憧れで、すっげー面白いんだ!!それに……」

 目をきらきら輝かせ、息をするのも忘れて喋る彼の話しに聞き入っていたが、突然、口を噤んでしまった。

 不思議に思って続きをじっと待つ私と、呆れたようにため息を溢す店主のおじさん。おじさんは口ごもるひー君を待ちきれないと言うように盛大に息を吐いて口を開く。

「君、こいつの彼女か?こいつは根っからの漫画オタクってやつでさ、よくうちに来る変な客だ」

「ちょっと、多田さん!」

 口に人差し指を当てて焦る彼に、多田さんと呼ばれたおじさんは意地悪な顔でひー君の持っていた本を奪い取る。

「確かに変な奴だが、お嬢さんの見る目は間違っちゃいないと思うぜ?見た目は今風でチャラついてるが、中身はしっかりした良い奴だ。大事にしてやりなよ」

「大事にって、女の子に言う言葉じゃないよ、多田さん」

 堀田さんを黙らせるのを諦めたひー君は、せめて本を取り返そうと腕を伸ばす。

「私も本の虫ですから、ひー君とおんなじですよ」