首を傾げる私の手を取って、ユイちゃんはそこに何かを乗せた。

 そこには……

「イヤリング!……綺麗」

 白い花とコットンパールが細いチェーンに付いていて、持ち上げるとゆらゆら揺れる。

「プリムラの花のイヤリング。男は揺れる物に弱いらしいからね」

 そう言って、ユイちゃんが私にイヤリングをつけてくれた。

「ありがとう、ユイちゃん」

 ユイちゃんは笑って首を振り、「よし、行こう!」と走り出す。

 二人の背中に、私は何度もありがとうと言う。いつも私に勇気を、自信を、届けてくれる。下を向いてしまう私に笑顔をくれる。

 ありがとう。

 ユイちゃん、彩音。

 伝えきれない感謝でいっぱいだ。