地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~

 速川さんについていくと、そこは音楽室や美術室などがある棟の中。昼休みだからか、誰一人いる気配がなく、どことなく暗い雰囲気だ。

 入ってすぐの所にある階段の中程まで上がった速川さんが腰を下ろしたので、私も戸惑いながらそこまで上り、隣に座る。

「えっと、ずっと気になっていたんですけど、私に何か用があるんですか?」

「うん、そうなんだけど……まずその敬語やめない?後輩にだってそんな丁寧な敬語を使われたことないから、慣れないんだよね」

「はい……あ」

 つい敬語になってしまうと、速川さんは面白そうに笑いだした。恥ずかしさに顔が赤くなるのを感じて「……笑わないで」とぼそぼそと呟く。

「いや、噂通りでますます興味沸いたよ」

「う、噂?」

 私みたいな地味で空気のような存在に噂なんかあるのかと、信じられない思いと悪い噂だったら嫌だなという思いが顔に出ていたらしく、速川さんは安心してと言うように首を横に振った。

「じゃあ、次はそのひっつめ髪をほどいて眼鏡を外してくれる?」

 訳が分からなくて渋る私に速川さんの手が伸びてきて……

「えぇっ、ちょっと!!速川さん!?」

 獲物を狙う豹さながらに、素早く私の髪をほどき、抵抗むなしく眼鏡もぶんどられてしまった。