そろそろ戻ろう。私なんて居ても居なくても変わらないんだろうけど、やりかけの作業をこのまま放ってはおけない。
トイレから出て、教室に戻るため廊下を歩いていると、英語科準備室の前に。何の気なしにそこを通りすぎようとしたら、丁度準備室の中から人が出てきて、ぶつかる前に足を止めて避ける。反射的に謝って、その人を見た。そこには……
「あっ……」
「ん?あ、璃子ちゃん!」
驚き固まる私の目の前に洸君が居て、彼も私に気づいた。その笑顔に、また期待してしまう。だけど、今の私を見られたくなくて顔を背けた。
「わ、私、教室に戻らないといけないから!それじゃっ」
洸君の横を通ろうとすると、腕を掴まれて足が止まる。彼の手の感触。その温かさに溢れようとする感情。それを抑えようと、私は「離して」と俯いた状態で言う。
「無理」
なのに彼は不機嫌そうに冷たく言って離してくれない。初めて聞く低い声だった。
「俺の方、向いて」
彼の言葉に私は首を振った。
「俺のこと、そんなに嫌いになった?」
トイレから出て、教室に戻るため廊下を歩いていると、英語科準備室の前に。何の気なしにそこを通りすぎようとしたら、丁度準備室の中から人が出てきて、ぶつかる前に足を止めて避ける。反射的に謝って、その人を見た。そこには……
「あっ……」
「ん?あ、璃子ちゃん!」
驚き固まる私の目の前に洸君が居て、彼も私に気づいた。その笑顔に、また期待してしまう。だけど、今の私を見られたくなくて顔を背けた。
「わ、私、教室に戻らないといけないから!それじゃっ」
洸君の横を通ろうとすると、腕を掴まれて足が止まる。彼の手の感触。その温かさに溢れようとする感情。それを抑えようと、私は「離して」と俯いた状態で言う。
「無理」
なのに彼は不機嫌そうに冷たく言って離してくれない。初めて聞く低い声だった。
「俺の方、向いて」
彼の言葉に私は首を振った。
「俺のこと、そんなに嫌いになった?」



