福沢は、あたしを目で促しながら廊下を歩き始める。 彼のがっしりとした肩を後ろから眺めながら、あたしは黙ってその後につづいた。 あの梅の木の奥にはもうひとつ廊下があって、陽の光に温められた床を足の裏で受け止めながら歩いた。 きしきし、きしきし。 あたしの歩く足幅に合わせて、鳴る木の板 それは先程の悲鳴ではなく、いまは喜びの声に聞こえたきがした。